経営再建中の準大手ゼネコン(総合建設会社)のフジタに対し、主力取引銀行の三井住友銀行などが総額4000億円規模の金融支援を実施する方向で調整に入った。債権放棄が軸になる。フジタは三井建設と住友建設の経営統合に合流する予定。8000億円を超えるフジタの有利子負債を圧縮することで、3社の統合を支援する。
金融支援は主力行の三井住友銀、準主力取引銀行のUFJ銀行が中心になる。支援額全体のおおむね半分程度を三井住友銀、残りの大半をUFJ銀が負担する方向だ。両行はフジタへの融資が多い中央三井信託銀行などにも協力を求め、月内に支援計画をまとめる考え。債権放棄を柱とするが、債務(銀行にとって債権)の株式化などを組み合わせる可能性もある。フジタは先月、都市再開発を中心とする比較的優良な建設事業と、有利子負債の多い不動産事業に会社分割し、建設事業だけを三井建設・住友建設が計画する経営統合に合流させる新たな再建策を発表した。金融支援を受け、フジタは不動産事業会社に引き継がれる見通しの約5800億円の有利子負債を圧縮する。