【ロンドン8日=斎藤孝光】
イラクに対しアメリカが軍事行動に乗り出すとの観測から、ロンドンの石油市場で、原油価格が急騰している。ロンドン国際石油取引所(IPE)の指標銘柄である北海ブレント先物は7日夕(日本時間8日未明)、前日比1・43ドル高の1バレル=24・15ドルをつけ、昨年9月24日以来、約5か月半ぶりに24ドル台に乗せた。石油輸出国機構(OPEC)が15日に予定する総会では、現行の生産枠(イラクを除く10か国で日量2170万バレル)を据え置く公算が強まっている。
原油価格は昨年9月の米同時テロを受けて急落していたが、年明け以降、OPECとロシアなどの非OPECが協調して日量約200万バレルの減産に踏み切ったことからやや持ち直している。今週に入って、ロシアが現行の輸出量削減措置を4月以降も継続するとの観測やアメリカ経済の回復期待が強まったことから一段高となり、中東情勢の緊迫懸念も加わって一気に値を上げた。
(3月8日19:14)