【ワシントン7日=天野真志】
米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン議長は7日の上院銀行委員会で、アメリカ経済の現状について「景気がすでに拡大しつつあることを最近の経済指標は示唆している」と述べ、事実上の景気底打ち宣言と見られる発言をした。先週の下院での証言では「経済の堅調さを示す兆候も増え始めている」との見方を示すにとどめており、7日の証言で、景気認識を一段と明るい方向に大きく前進させた形だ。議長が1週間程度で景気認識を修正するのは珍しく、市場では、FRBが今年前半にも利上げに踏み切り、金融緩和姿勢から引き締め姿勢に転じる可能性があるとの見方が強まった。
一方、議長は、ブッシュ大統領が外国製の鉄鋼製品に対する緊急輸入制限(セーフガード)措置の発動を決めたことについて「私は賛成ではない。私がこの判断を下す立場にいなくてよかった」と証言し、批判的な見解を明らかにした。
(3月8日13:01)