内閣府の小林審議官は、2001年度の政府経済見通しの達成は、かなり厳しい状況との認識を示した。
2001年10−12月期GDP発表後の記者会見で述べたもの。
小林審議官は、10−12月期GDPについて、「厳しい景気後退を反映した姿だ」と述べた。
民間最終消費支出は+1.9%となったが、「実力より高く出ている可能性がある」という。一方、民間企業設備投資は−12.0%と大きく落ち込んだが、「機械受注や資本財の出荷状況を見ると、7−9月期のプラスと平均して見る方が、実質に近い感じだ」と語った。
そのうえで、「10−12月期GDPの落ち込みが大きく、2001年度政府経済見通しの達成はかなり厳しい状況だ」との認識を示した。
また、1−3月期GDPについては、「予断を持った言い方はできない」としながらも、「消費は弱含みだが、おおむね横ばい。設備投資は、最近の機械受注を見えると、どんどん落ちる動きはない。輸出は、海外の(回復の)動きを反映している。このため、アメージングな数字が出ることはない」との見通しを示した。
2002年度については、1)自立回復の動きに乗る、2)米国の景気が回復、3)今年度第1次・第2次補正予算と来年度予算の効果が発現−−−というシナリオを持っているとし、「足元から先行きの経済見通しは、だいたい想定していた経済の動きだ。現時点で、政府経済見通しを帰る要素は見当たらない」と述べた。
10−12月期GDPが経済運営に与える影響については、「9月の雇用セーフティーネットを中心とした改革先行プログラム、その後、デフレスパイラル阻止のための第2次補正予算を打っており、経済状況に応じた対策が取られたと思っている。10−12月期GDPで、経済運営が変わってくるとは思っていない」と述べた。