政府・自民党は7日、銀行の持ち合い株式の受け皿となる銀行等保有株式取得機構の機能を拡充する方針を固めた。事業会社が保有する銀行株を購入対象に加える。会社の場合に限って売却時に支払う拠出金を大幅に軽減することも検討する。自民党は公明、保守両党と調整して今国会中に関連法改正案を提出する考えだ。
柳沢伯夫金融担当相は同日の参院予算委員会で「党側の検討を見守っており、資料などの求めがあれば協力していきたい」と述べ、取得機構の機能拡充に金融庁としても側面支援していく考えを表明した。
自民党デフレ対策特命委員会は2月にまとめた提言で、取得機構の買い取り対象を事業会社の保有する銀行株や保険会社の保有株に拡大することを明記。政府内でも事業会社の銀行株を対象に含めた方が持ち合い株の解消促進に有力だとの見方が広がった。
取得機構は大手銀行などが出資して設立。政府保証をつけて長期保有を想定して買い取る「特別勘定」の業務が中心になる見通しだ。この場合、銀行が売却額の8%程度を追加的に拠出する。