02/15 16:45 ウォール街空洞化が加速 同時テロで7万人転出へ 外経62
【ニューヨーク15日共同】米中枢同時テロの影響で、ニューヨ
ークの金融地区ウォール街の空洞化が加速している。崩壊した世界
貿易センタービルの入居企業を中心に、テロの現場近くで働きたく
ないという従業員の心理や企業の危機管理上の判断から、事務所の
全面移転や一部機能の分散を決める金融機関が続出しているためだ
。
米不動産調査会社テナントワイズ・コムによると、テロで損傷を
受けたビルで働いていた約十三万五千人のうち、ウォール街周辺に
残留する企業の従業員数は約六万人にとどまる。五千人は未定だが
、七万人が数キロ北上したミッドタウン地区や対岸のニュージャー
ジー州に流出する。
転出意欲が最も強いのは世界貿易センター入居企業。主要テナン
トで既に移転先を決めた六十六社のうち、ウォール街残留派はわず
か十社。転出派の中には日本の富士、第一勧業の両銀行も含まれる
。
投資銀行ゴールドマン・サックスやメリルリンチは、残留の意向
だ。しかし、ゴールドマンが株式関連事業の一部をニュージャージ
ー州に移転するなど機能分散は加速。金融機関の経営環境が厳しく
なる中「市外の方が運営コストが安い」(金融関係者)という事情
もある。
テナントワイズは「ウォール街周辺の雇用が局地的に大きく悪化
する恐れがある」と懸念を強めている。
(了) 020215 1644
[2002-02-15-16:45]