格付投資情報センター(R&I)は7日、上場損害保険会社9社の格付けを公表し、うち7社を格下げした。銀行、証券、保険、ノンバンクなど金融部門で唯一、トリプルAだった東京海上火災保険をダブルAプラスに一段階格下げした。金融部門でトリプルAの企業はなくなった。
上場損保9社のうち東京海上火災、安田火災海上保険、三井住友海上火災保険、日本興亜損害保険、富士火災海上保険の5社を1段階、あいおい損害保険、日新火災海上保険の2社を2段階格下げした。日動火災海上火災保険は1段階格上げし、日産火災海上保険は据え置いた。
東京海上の格下げの主因は朝日生命保険との統合前倒しの見直しだ。「朝日生命の信用リスクを直接抱えることはなくなったが、生保事業は当初構想からの見直しを余儀なくされたと言える」と説明している。
R&Iは損害保険会社全体を通じ、米国の同時多発テロを契機とした再保険料の高騰を「来期以降の懸念材料」と指摘している。