鉄鋼大手のNKKは7日、米子会社ナショナル・スチール(インディアナ州)の経営破たんに伴う約260億円の特別損失計上などで、2002年3月期連結決算の当期損益が740億円の大幅赤字になる見通しだと発表した。従来予測は150億円の赤字だった。
ナショナルの破たんで、米鉄鋼大手のUSスチールと基本合意したナショナル株の譲渡や、業務提携の内容は変更になる公算が大きく、NKKは米国戦略の見直しを迫られそうだ。
国内外の鉄鋼事業の業績悪化などで、連結営業損益は60億円の赤字見通し。米子会社の破たんに加え、株価下落による有価証券の評価損250億円も計上。前期の969億円の黒字から、大幅な赤字転落を余儀なくされた。
ナショナル譲渡と引き換えに得ていた、USスチールの発行済み株式を最大約5%取得する権利は白紙になる見通し。NKKは「ナショナルとの営業面での取引は当面続ける」としているが、再建の行方は不透明で関係打ち切りとなる可能性もある。
ナショナル・スチールは6日、米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請した。