<明治ドレスナー・アセットマネジメント国内株式運用部長 八木甫氏>
株価が堅調な展開になっているが、先物にリードされた上昇という基本的な構図に変化はないようだ。ただ、3月末には、これまでパフォーマンスの悪さから日本株のウエートを本来のレベルより落としていた運用機関などが、年度末に向けてもとのレベルまで引き上げるなどの動きが出ることから、需給が改善する。
また、ファンダメンタルズの面からは在庫調整が最終局面にきており、株式の買い場であるという事情もあって、買いの勢いが強まっているようだ。
ただ、新年度以降、こうした上昇基調が維持されるかについては、慎重にみている。もともと、3月期末は1万2000円前後になると考えていたが、それまでのプロセスとして、9000円程度まで株価が落ちることで金融システム問題などの改革が促され、その結果として今程度のレベルが実現すると予想していた。
しかし、火種が新年度に積み残されてしまったため、逆に、新年度以降、株価が再び改革を催促にいく可能性もあるだろう。