政府が今国会に提出した健康保険法改正案に沿って中小企業従業員が加入する政府管掌健康保険(政管健保)が2003年度に保険料を引き上げても、2006年度には再び赤字に転落することが厚生労働省が6日まとめた試算で明らかになった。収支改善のために保険料の再引き上げか一段の医療費削減策が必要になり、今回の医療制度改革が政管健保の加入者の負担増を抑える効果は一時的なもので終わる。
健康保険法改正案では、政管健保は2003年4月に月給とボーナスに同率の保険料がかかる「総報酬制」を導入するのと同時に、料率を実質0.7%引き上げ年収の8.2%にすることが決まっている。年収417万円(月給30万円、ボーナス57万円)のサラリーマンなら労使合計の年間保険料は34万2000円と現在より3万1000円の負担増になる。保険料率の引き上げにより2003年度は保険料収入が5600億円増え、経常収支は1800億円の黒字に改善する。しかしその後は医療費支出の拡大で年々収支が悪化し、2006年度に800億円の赤字に転落。翌2007年度には積立金も底をつく。