塩川正十郎財務相は6日夜の衆院財務金融委員会で、2002年度の国債の新規発行額を30兆円以下に抑制する政府の方針について「財政出動に一定の効果はある。どこへ出すかや効果を見極めて30兆円枠を撤廃することは考えてもいい」と述べた。財務相は予算編成時に30兆円枠の堅持を強調してきたが、今回の答弁では景気刺激の減税などによる来年度中の突破に含みを持たせた。
政府は来年度予算案で小泉純一郎首相が公約した国債30兆円枠を使い切っている。財務相は「構造改革を進めるのに必要なら枠を超えていいという議論がある」と指摘。「財政への影響と経済への効果のバランスを見極めることが1番大事だ」としながらも「それなりの方向転換はあるだろうと思う」と述べた。一定の財政節度を保ちつつ、景気刺激策で枠を突破することはやむを得ないとの認識を示した。