【ニューヨーク6日=坂本裕寿】NKKの米子会社で経営再建中のナショナル・スチール(本社・インディアナ州)は6日、米連邦破産法11条に基づく更生手続きを申請した。負債総額は約9億4000万ドル(約1200億円)となる見通しだ。米鉄鋼メーカーの経営破たんは昨年10月のベスレヘム・スチール以来となる。米政府は、鉄鋼製品に対するセーフガード発動を決めたが、輸入鉄鋼製品にシェアを奪われた米鉄鋼業界の衰退を裏付けた格好だ。
NKKは1月、業績不振のナショナルの再建を目指し、6月までに米鉄鋼最大手のUSスチールに売却することで合意していたが、米政府によるセーフガードの発動や退職者の年金などの一部肩代わりが前提となっていた。結局、譲渡までにナショナルの資金繰りが続かず、経営破たんした。