欧州連合(EU)のラミー欧州委員(通商担当)は、米国が鉄鋼製品に対する緊急輸入制限(セーフガード)の発動を決めたのを受けて6日、世界貿易機関(WTO)への提訴の意向を明らかにするとともに、EUも市場保護のため、同様のセーフガード発動を検討すると語った。
記者会見した委員によると、米国市場から締め出された鉄鋼製品がEU市場に流入して被害を与える恐れがあるため。今後、輸入の急激な増加が起きるかどうかを見極めて、発動の可否を決める。
ラミー委員は「米国の決定は政治的なものであり、正当化できない」「米鉄鋼業界の苦境を解決するものではない」などと批判し、今後、日本、中国、韓国、ブラジルなどの主要鉄鋼輸出国と問題の解決のため協議を重ねると述べた。(共同)