金融庁は6日、テロリストへの資金提供を防ぐため、金融機関に対し顧客の本人確認を義務づける新たな法律案をまとめた。預貯金口座を新たに開いたり、200万円を超える現金を送金したりする際などに、運転免許証やパスポートといった証明書の提示が必要になる。近く国会に提出、02年度中の施行を目指す。
新法案の対象は民間金融機関のほか、郵便局や農協、証券会社、消費者金融など。法案では、金融機関は本人確認に応じない利用者との取引を拒否することができる。さらに、捜査当局が資金の流れを追跡できるよう、金融機関がすべての顧客との取引記録を7年間保存するよう義務づける。
不正行為を目的に、本人確認でうその申し立てをした利用者が処罰されるだけでなく、金融機関も処罰される。これまで金融機関は業界団体の取りきめに沿って本人確認をしていたが、法律をつくることで確認をさらに徹底し、テロの資金源を断つのがねらいだ。(19:30)