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「金融庁はなぜ、日本で銀行経営の実績を持つ“外資”ですら継子扱いするのか。破たん金融機関の処理を行っていくプロセスでの金融庁の対応を見ていくと、そうした“外資”が不当に冷遇されているとしか思えない。そうした点で金融庁の対応はあまりにも不透明だ。こうした状況が続くならば、日本の金融マーケットは極めて閉鎖性が強いといえる」
米系大手銀行幹部がこう言ってみせる。
３月５日金融庁は、預金保険法に基づく形で、経営破綻した金融機関の一時的な営業譲渡先となる承継銀行（ブリッジバンク）を設立する方針をほぼ固めた。
この“ブリッジバンク”は預金保険機構が全額出資する形で設立され、その位置づけとしては、預金保険機構の完全子会社という格好となる。
なぜここへ来てこのブリッジバンク構想が浮上してきたのか−−。これまでに経営破綻に追い込まれた金融機関の中に、その“受け皿”が決定しないまま３月末を迎えかねないところが出てきているからだ。
「“ペイオフ解禁凍結”という施策がとられている３月末までに経営破綻した金融機関の預金者については、解禁となる４月以降についてもその預金は全額保護されています。しかし、３月末までに破綻金融機関の“受け皿”となる金融機関が預金保険機構に対して資金援助を申し入れなければ、資金援助が実施されない可能性があるのです。この結果、３月末までに経営破綻をした金融機関の預金者であっても、預金の全額保護が確保できないケースもありうるといえるでしょう。そこでそうした事態を回避するために、ブリッジバンクを設立し、正式な“受け皿”に代わって預金保険機構に代わって資金援助を申し入れよう、という狙いがあるのです」（金融庁幹部）
これまでのところ、破綻金融機関の中で受け皿の決まっていない金融機関は、石川銀行（本店・金沢市）、永代信用組合（本店・東京都江東区）、大分商銀信用組合（本店・大分市）の３金融機関。
「金融庁としては、ブリッジバンクに移行する可能性のある金融機関として、韓国系の大分商銀を除いた石川銀行と永代信組を想定しているのです」（金融庁幹部）
もっとも、この２つの金融機関について言えば、“受け皿”の候補が全くないわけではない。
「石川銀行については北陸銀行（本店・富山市）、永代信組については東京都内の信用金庫を軸にする形で“受け皿”の選定作業が進められている」（金融庁幹部）
しかし、そのいずれもが、“受け皿”サイドの事情で難航しているというのが実情だ。
「“難航している”とは言っても、石川銀行については東京スター銀行、永代信組については、関西さわやか銀行が積極的に“受け皿”として名乗りをあげているのです。ところがこの両行については、金融庁の方が難色を示しているのです」（金融庁関係者）
それではなぜ、金融庁は難色を示しているのだろうか。
「それは、東京スター銀行にしても関西さわやか銀行にしても、その運営母体が“外資”だからです。新生銀行の一件が尾を引く形で金融庁が“外資”に対してアレルギー反応を起しているのです」（金融庁関係者）
もし、このコメントが事実だとしたら、金融庁の対応は“裁量行政”以外の何でもない、といえるだろう。
2002/3/6
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。