UFJ銀行は5日、親密な関係にある国内信販4位のアプラス(本社・大阪市)に対し、1000億円の債権放棄と、300億円の増資引き受けを柱とする金融支援策を固めた。アプラスは約9800億円の有利子負債を抱えており、主力取引銀行のUFJ銀行は、不良債権の抜本処理を行う上で金融支援は欠かせないと判断した。
UFJ銀行が固めた支援策では、同行の貸出残高1900億円の約半分に当たる1000億円を債権放棄する。アプラスは、この1000億円を原資に2002年3月期決算で、担保不動産の価格下落に伴う不良債権の拡大に備える。
一方、アプラスは4月にも、UFJ銀行を引受先とする300億円の第三者割当増資を行い、現在の資本金323億円を倍増して資本を増強する。
アプラスは1956年の設立。法人向け融資で不良債権が増大し、財務内容が悪化している。
2001年3月期には、税引き後利益が209億円の赤字に転落、資本準備金を201億円取り崩して穴埋めした。有利子負債が、事業会社の売上高に当たる営業収益の約10倍と過大な点もあり、株価は一時、100円を割り込んでいた。
アプラスはUFJ銀行の前身の旧三和銀行と資本面で密接な関係にあり、取締役の半数も旧三和銀行から派遣されている。このため、UFJ銀行は他行に先駆けて支援の方針を打ち出し、今後、他行にも協力を要請していく考えだ。