「タンス預金にも、デフレ課税を」。自民党が5日に開いたデフレ対策特命委員会と金融調査会・金融と物価に関するワーキングチームの合同会議で、講師として招かれた慶応大の深尾光洋教授が、デフレ克服の最後の手段として、現金や預金に課税するという持論を展開した。
深尾教授は、国債、政府保証債、預貯金、現金などの金融資産に対し、デフレが収束するまで年率2%課税することを提案。これらの金融資産は、デフレが進むと確実に価値が上がるためリスクのある投資に向かわないが、課税することで不動産や株式に投資をシフトさせることが狙い。
深尾氏の案について、相沢英之・デフレ対策特命委員会委員長は「荒唐無稽すぎて無理」と否定的で実現の可能性は低い。ただ、出席したメンバーからは「これぐらいの荒療治でないとデフレ克服は無理」などの意見も出され、波紋を広げていた。【鬼木浩文】
[毎日新聞3月5日] ( 2002-03-05-21:06 )