株式の持ち合い解消などに伴い銀行が手放す株式の受け皿となる「銀行等保有株式取得機構」は14日、銀行の要請を受けて株式を買い取る「特別勘定」の運営委員を任命した。任命されたのは吉野直行・慶大教授ら5人。委員は会議を開き、2月15日から4月26日まで特別勘定で株式を買い取ることを全会一致で決めた。
運営委員の委員長には吉野氏、委員長代理には元日本公認会計士協会会長の村山徳五郎氏を任命した。このほか委員には日本証券業協会会長の奥本英一朗氏、前証券取引等監視委員会委員長の佐藤ギン子氏、前第一東京弁護士会会長の竹内洋氏が就いた。取得機構の特別勘定は株式の長期保有が目的で、運営委員会が「銀行の要望」「株式処分の進ちょく状況」「市場動向」などを踏まえて、買い取りの是非や期間を決める仕組み。セーフティーネット(安全網)として買い取りが必要な場合に限る。14日の会合では銀行側に買い取りを求める要望が強いことや、株式相場を取り巻く環境が厳しいことなどで委員の認識が一致。ただちに買い取りを始めることを決めたと機構は説明している。