金融庁・預金保険機構は5日、破たんした金融機関などの預金や資産を一時的に引き継ぐブリッジバンク(承継銀行)を設立すると発表した。既に破たんしていながら、譲渡先がまだ決まっていない信用組合などの受け皿となる。名称は「日本承継銀行」となる見通しで、銀行免許を取得後、今月後半に設立する。
現在破たん処理中の61金融機関のうち、受け皿が決まっていないのは石川銀行(金沢)、永代信用組合(東京)、大分商銀信用組合(大分)の3つ。
ブリッジバンクは1998年10月に成立した金融再生法に盛り込まれ、2001年4月施行の改正預金保険法にも引き継がれた。実際に設立されるのは今回が初めて。
預金保険による損失を穴埋めし預金を全額保護するためには、受け皿金融機関を決めた上で、今月末までに預金保険機構に資金贈与の申し出をする必要がある。しかしこの手続きが間に合わない破たん金融機関が出る見込みとなったため、金融庁は同機構が全額出資する子会社として、ブリッジバンクを設立することにした。
受け皿が決まっていない破たん金融機関の預金などは、すべてブリッジバンクに一時譲渡する。これによりペイオフ解禁前に破たんした金融機関の預金・負債は確実に全額保護され、破たん金融機関の営業も通常通り継続する。
ブリッジバンクは改正預保法に従い、引き受けた金融機関が破たんした時点から2年以内に最終譲渡先を順次決める。受け皿が見つからない場合には期限を1年延長することができる。譲渡方式は事業譲渡方式が主体となる見通しだ。
預金払い戻しの保証額を元本1000万円などに限るペイオフは4月に解禁されるため、今後、ブリッジバンクの設立に合わせて経営陣を選定し、業務計画を策定する。