扇千景国土交通相は15日の閣議に、国交省が発足してから初の「2001年度国土交通白書」を提出した。批判が強い公共事業の改革に多くを割くとともに、「公共事業は財政赤字拡大の元凶」とする指摘に反論を試みている。昨年1月に建設、運輸両省などが統合して国交省が発足したのに伴い、従来の建設白書や運輸白書などは廃止、国土交通白書に一本化した。これまで一般的だった部局ごとの縦割りの記述はやめ、公共事業や環境問題、観光といった政策課題ごとに同省の取り組みを自己分析している。
公共事業については「21世紀型社会資本整備への転換」を掲げ、新規に採択する案件を大幅に絞り込む考えを打ち出した。住民の反対運動などで完成までの時間が長期にわたる事業が相次いでいることを踏まえ、計画の構想段階から住民の意見をくみ上げる工夫が重要との認識も盛り込んだ。