都市基盤整備公団(都市公団)は4日、初の財投機関債を募集した。国債に対する上乗せ幅(スプレッド)は0.72%で財投機関債としては阪神高速道路公団を上回り、これまでで最大となった。財務内容が厳しい特殊法人に対する投資家の見方が厳しくなっていることを裏付けた形だ。
表面利率と応募者利回りはともに1.0%。発行価格は100円。発行額は250億円。信用金庫や信用組合、農協など運用難の投資家が主に購入した。年限が3年と短かったことに加え、投資家寄りの発行条件が評価されたようだ。ただ、都市公団は保有する不動産の値下がりで財務内容が悪化しており、「投資を手控えた」(国内生保)という声も多かった。
みずほ証券、東京三菱証券とともに主幹事を務めた野村証券は「地域金融機関を中心に順調に販売した」(デット・キャピタル・マーケット部)としている。格付けはシングルAプラス(格付投資情報センター)で、これまで格付けを取得した財投機関のなかでは最も低い。