森昭治金融庁長官は4日の記者会見で、佐藤工業の会社更生法申請について「大変残念」としたうえで「金融庁としては問題企業を抱えるメーンの銀行に対し、できる限り3月期決算に反映させるよう、迅速に処理してほしいと言っている」と述べた。各行に過剰債務を抱える融資先の処理を急ぐよう促す姿勢を改めて鮮明にした。
公的資金による銀行への資本再注入の具体策に関しては「4月1日から(改正商法の施行で)株式は普通株と議決権制限株の2種類になる。色々な選択の余地が広がる」と指摘。注入の際、取締役の選任・解任に限って議決権を持つ新型の優先株を活用することに前向きな姿勢を示した。最近の株価動向をめぐっては「今日の取引高は14億株、約1兆円と市場が分厚くなっていることは歓迎できる」と取引拡大を評価。株のカラ売り規制については「法令違反を含めて不公正に活用されている実態を踏まえたものだ。日本の取引所がオモチャにされているようではいけない」と説明した。