佐藤工業の会社更生手続き申請で、大手銀行のゼネコン向け大口不良債権の処理策がひとまず出そろった。ただ一部のゼネコンは具体的な支援策が固まっていない。ノンバンクなど他の業種で、企業の処理もこれから本格化する。株価がやや持ち直すという好材料はあるが、大手行の体力低下は否めず、2002年3月期決算が綱渡りの状態であることに変わりはない。
佐藤工業の主取引行だった第一勧業銀行などで構成するみずほフィナンシャルグループは3日、同社向けの債権額が1155億円強に達することを明らかにするとともに、「2002年3月期の業績予測には影響ない」と発表した。今回、追加損失が発生しないのは、金融庁が銀行の大口貸出先に対して進めている特別検査を先取りしてすでに貸倒引当金を大幅に積み増していたためだ。みずほは昨年11月、今3月期の不良債権処理に伴う損失を2兆円に上方修正している。