三菱東京フィナンシャル・グループが4日に開業する個人ローン会社、東京三菱キャッシュワン(東京・中央)は顧客の返済能力を審査するノウハウを習得できるまでの3-5年間、大手消費者金融のアコムと保証契約を結ぶ。アコムが顧客を審査し、顧客の返済が遅れた場合は肩代わりするため、新会社は貸し倒れリスクを負わずに融資を拡大できる。3年以内にクレジットカードも発行する。
東京三菱キャッシュワンは電話やインターネットで融資の申し込みを受け、現金自動預け払い機(ATM)で貸し付ける。金利は15-18%と通常の銀行の個人ローンより高いが、審査時間が三十分と短いうえ、所得の低い若者などにも融資できるのが特徴。
三井住友銀行やUFJ銀行も同様の個人ローン会社を持っているが、顧客の返済実績をもとに審査システムを構築するため、十分な数の顧客が集まるまでは融資を増やしにくい。東京三菱キャッシュワンは「アコムと保証契約を結ぶことで、早期に事業を軌道に乗せられる」としている。初年度500億円、5年後2500億円の残高を目指す。
クレジットカードについては三菱東京の系列カード会社であるディーシー(DC)カードのブランドを活用する。DCカードが取り込めていない顧客層を対象に、リボルビング(回転信用)払い主体のカードを発行する見通しだ。
東京三菱キャッシュワンは東京三菱銀行とアコムがそれぞれ35%、三菱信託銀行が17.5%、クレジットカード会社のディーシーカードが11%、信販会社のジャックスが1.5%を出資している。