整理回収機構の鬼追明夫社長は1日、政府の総合デフレ対策で銀行からの不良債権の買い取りを促進するために新設を求めた「債権買取推進本部」について「来週中に設置する」と表明した。対策は回収機構が制度の弾力運用により、買い取り価格を上げるよう期待しているが、「損失覚悟の価格はつけられない」と消極的な考えを示した。
債権買取推進本部は健全行からの不良債権買い取りを専門に担当する部署で、現在の「業務推進本部」を母体に設置する。業務推進本部の35人から増員する方向で検討中という。鬼追社長は「(デフレ対策に盛り込まれた)金融界との意見交換会を早急に開き、債権の売却が増えるための買い取り条件について意見を聞きたい」と述べた。「債権の回収額が買い取り額を下回った場合に発生する二次損失を避けるため、回収機構の買い取り価格が低め」との指摘がある点をデフレ対策は重視。対策の中で「これまでの回収益を財源として活用」し、「時価買い取りの実効ある運用を行う」と盛り込んだ。