国内銀行が資金調達のために発行する譲渡性預金(CD)の残高が減少してきた。日銀によると、2001年12月末の残高は44兆1000億円で、直近のピークだった同年9月末に比べ6兆4000億円減った。ペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁を控え、機関投資家などが4月以降は全額保護でなくなるCDでの運用に慎重になったためとみられる。
都市銀行などは企業への貸し出しや市場取引が多いため、CDやコール取引を利用して資金繰り上の不足を補っている。日銀が昨年3月に量的金融緩和に踏み切った以降は、投資信託会社などが資金運用難のなか、CDなどで積極的に運用していた。ただ最近はペイオフの解禁を控え、期間が3月末を越えるCDでの運用を手控える動きが出てきている。都銀などは現在、3月の決算期末越えの資金調達をCDやコール取引で進めようとしている。ただ資金の出し手が運用に慎重な姿勢を崩していないことから、調達希望金利を引き上げ始めている。