生命保険会社の外国証券保有額が過去最高規模にまで膨らんでいる。2001年12月末の運用残高は26兆5800億円となり、前年同月に比べ17.2%増加。株価下落のリスクを抑えるため、生保各社が圧縮を進めている国内株式の運用額を上回った。国内の低金利が長引き、国債や国内株だけでは顧客に約束した予定利率を確保できない状態が続けば、今後も生保の外国証券投資は高水準で推移しそうだ。
生命保険協会のまとめによると、昨年12月末の国内生保43社の総資産は184兆8500億円と、前年同月比で横ばいだった。そのうち、外国債や外国株式など外国証券による運用は約26兆円と、総資産の14.4%を占めた。バブル期の1989年に資産全体の15%に運用額が達して以降、生保各社は外国証券への投資を抑えていたが、ここに来て再び運用額が急増している。今期に入ってからの外国証券の増加分の大半は外国債への投資。「10年物の米国債の利回りは為替リスクを回避するコストを入れても3%程度と、10年物の日本国債より高い利回りが見込める」(第一生命保険)ため、運用額を大きく増やした生保が多かった。