総務省が1日発表した1月の完全失業率(季節調整値)は5.3%と、過去最悪だった前月の5.5%(調整値)から0.2ポイント低下した。失業率の低下は昨年2月以来11カ月ぶり。
男女別では男性が5.4%と、前月比で0・4ポイント下がり、失業率全体を押し下げた。女性は5・1%と横ばいだった。
厚生労働省は今回の低下幅0.2ポイントについて、状況の転換を示すほどの大きさとみておらず、坂口力厚労相は同日午前の会見で「雇用情勢は予断を許さない」と述べた。
完全失業者数は前年同月比で27万人増の344万人と、10カ月連続で増加。中でもリストラなど「勤め先都合」での離職者が110万人に達した。
完全失業率は改善したが、最近の雇用情勢では、雪印食品の解散やダイエーのリストラなど好材料は見当たらない。今後企業への貸し出しが絞られて会社整理となるケースの多発も予想される。
厚生労働省が発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比横ばいの0.51倍だった。
完全失業者の内訳で、1月調査から職を求める理由を細分化。「定年または雇用契約の終了」が36万人、「勤め先都合」110万人などで非自発的離職者は147万人となった。
自発的離職者は107万人と、非自発的離職者を下回る状況が続いた。世帯主の完全失業者は3カ月ぶりに100万人を割ったが98万人と依然高水準。
雇用者数は52万人減の5303万人と5カ月連続減。就業者全体では93万人減って6267万人と10カ月連続で減少した。
今回は24歳以下や55歳以上の男性失業者数の増加幅が縮小、男性の失業率が低下した。若年層や高齢者が職探しをあきらめ、統計上の失業者でなくなるケースが増えたとの指摘もある。
今回は昨年1年間の季節調整値を再計算、12月などの数字が修正された。