日銀の政策委員会・金融政策決定会合が28日開かれ、長期国債の買い切り額を現行の月8000億円から1兆円に増やすなどの追加金融緩和策を決めた。政府の総合デフレ対策と協調してさらにジャブジャブに資金を供給することになるが、景気の下支えとなるかどうかは不透明だ。
また、政府や自民党の一部から出ているインフレ目標の設定については今回も見送られた。
日銀は「年度末を控え、金融市場の安定確保に万全を期すことは極めて重要」として、金融機関に公定歩合で資金を貸し出す「ロンバート型貸し出し」の貸出期間を4月15日まで延長。金融機関が日銀に預ける当座預金残高を10−15兆円にするとの目標にこだわらず、一層潤沢な資金を供給することも決めた。
経済政策をめぐっては、日銀の速水優総裁が小泉純一郎首相に「銀行への公的資金再注入」を直訴。これに対し、政府・与党は日銀に大幅な金融緩和を求めるという、責任の押し付け合いとなっていた。
結局、事前の予想の範囲内の金融緩和となったが、国債買い入れ増額は、速水総裁自身が「どれだけ効果があるか分からない」と国会証言している。