個人預金が大手銀行に集中する傾向が強まっている。都市銀行の2001年12月の個人預金残高(月中平均)は9月に比べて2.9%増加、地方銀行などほかの業態に比べて伸びが最も大きくなった。ペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁を4月に控え、信用力があるとみられる銀行に預金を移す動きが出ているのが背景だ。
日銀によると、2001年12月の個人預金残高は都市銀行で118兆4648億円と、9月に比べて3兆3410億円増えた。地方銀行は126兆363億円と残高では都銀を上回ったものの、伸び率は1.9%と都銀を1ポイント下回った。第二地銀、信用金庫の伸びはそれぞれ1.4%、0.9%となった。都銀の伸びが大きいのは、金融機関の経営問題に敏感になっている個人がお金の預入先として大手行を選ぶケースが多くなっているため。「ペイオフに関する問い合わせが増えている」(神奈川県内の大手銀支店)といい、預金額を調整するため資金を移し替える動きが活発になっている。