自民、公明、保守の与党三党は28日、サラリーマン本人などの医療費の自己負担を2003年4月から3割に引き上げることなどを盛り込んだ健康保険法改正案を今国会に提出することで最終合意する見通しになった。焦点になっている医療制度の抜本改革に関しては、中小企業の従業員などが加入する政府管掌健康保険の経営形態を5年以内に見直すものの、法案には「民営化」の文言を明記しない方向となった。
与党三党の幹事長や政策責任者は27日、国会内や都内のホテルで健保法改正案を巡って断続的に協議した。坂口力厚生労働相や自民党の麻生太郎政調会長が22日に合意した政管健保の民営化などを含む医療制度の抜本改革案に公明、保守両党から強い異論が出ていたためだ。医療制度の抜本改革案に関しては政管健保の民営化のほか、新しい高齢者医療制度の創設や、診療報酬体系の抜本的な見直しなどの時期を巡って、三党間の意見調整を進めた。