柳沢伯夫金融担当相は28日の衆院財務金融委員会で、大手銀行などに対して早期かつ予防的に公的資金を注入すべきとの声が根強いことに対し「金融のサステイナブル(持続的)な安定性が重要で、資本のレベルは(銀行が)収益力を伴いながら高める方向で金融行政も対応すべき」と改めて反発した。
一時的に自己資本比率を高めても、金融の安定にはつながらない可能性があるとの考えを示したもので、早期注入に積極的な政府・与党内の一部や日銀の速水優総裁との認識の違いを説明した。佐藤観樹氏(民主)に対する答弁。
柳沢金融相は「自己資本比率は9%より13%、15%とより高い方が安定しているとの考え方があるが、公的資金を注入して、本当に収益力のあるビジネスが発見できるのか。公的資金は銀行の収益の負担でもある」と述べた。