塩川正十郎財務相は27日午後の衆院財務金融委員会で、物価水準について「平成9(1997)年ごろの安定していた物価水準に戻せば、名目成長率も皆さんに褒めていただける状況になる」と述べ、消費者物価が下落傾向を示し始めた以前の水準に戻したいとの見解を示した。民主党の古川元久氏に対する答弁。
また、古川氏が「物価安定目標の導入を考えていると理解してよいのか」と質問したのに対し、財務相は「その通りです」と発言したうえで、「単純に97 年の物価水準に戻ればよい。そのために努力していこうということだ」と答えた。
一方、同委でインフレターゲティングの導入に慎重な姿勢を示した谷口隆義副大臣は、「財務相はそういうような形(97年度の物価水準)に持っていきたいという展望をおっしゃった。一般的なインフレターゲットはそうではなく、2%や3%に(物価水準を)持っていくために、あらゆる手段を講じることを言う。こういう意味合いからすれば、慎重に対応する必要がある」と述べ、物価安定目標(プライスレベル・ターゲティング)と、インフレターゲティングは分けて考えるべきだと指摘した。