財務省筋は、10年債の発行を引き受ける金融機関のシンジケート団制度を今年4月から廃止方向で着手する方向である、と述べた。ロイター通信の取材に対して述べたもの。
シ団制度では、10年債の発行額のうち6割をシ団が引き受け、残りの4割を競争入札としているが、シ団引き受けの比率を段階的に引き下げ競争入札の割合を高めていくという。来月3月20日には、10年4月債が入札される予定で、発行額もこれまでの月額1兆7000億円から、1兆8000億円に1000億円増額される見込み。3月半ばの市場情勢を見ながら、シ団メンバー間での意見調整が整えば、シ団廃止への実質的な動きが4月債から始まる見通し。
財務省筋は、シ団制度廃止について、「4月から廃止の方向である」と述べ、「シ団の10年債発行の引き受け分を、段階的に下げていく方向だ」と話した。財務省筋は、時期や引き受けの割合の推移についての言及は避けたが、4月債発行からの実施の可能性について否定しないという。
2002年度の国債発行計画では、10年債は月額1兆7000億円から、同1兆8000億円に1000億円増額される見込み。シ団引き受けが6割から低下すれば、増額分が自動的にシ団メンバーの負担につながることを避けることができる。
10年債発行では、クーポン設定などで発行当局とシ団の間で話し合いがもたれるが、4月債についても、シ団引き受け比率について同様の意見のすり合わせが行われる見込み。
市場筋によると、4月には大手都市銀行の分割・合併も控えており、シ団メンバー間の意見調整などを踏まえる必要があるとされている。財務省は、市場情勢も見ながら、早ければ次回10年債入札からシ団廃止に向けた実質的な措置に踏み込む。