柳沢伯夫・金融担当相は27日午前の衆院財務金融委員会で、「構造改革を進めるには銀行が追い込まれる方がドライブがかかる」と述べ、公的資金を注入して財務面での体力を向上させるよりも、せっぱ詰まった状況に置くことで体質改革を促進する方が構造改革には有効との認識を示した。江崎洋一郎氏(民主)に対する答弁。
柳沢金融相は、公的資金投入と構造改革との関係について「公的資金を安易に入れると銀行の構造改革、ひいては貸出先の構造改革の推進力は弱まる」と指摘、「人間は追い込まれてやることもある」として、最近の銀行の業務構造改革の企業努力はそうした「置かれた状況がもたらしている」ものとの見方を示した。
公的資金を注入するのは、金融危機を未然に防ぐ時であり、「ある意味では判定勝ちを勝ち取ることを第一義的にしなければならない時で、構造改革にブレーキがかかっても仕方がない」との見解を示した。