金融庁は26日、信用取引制度を使って借りた株式を市場で売る「空売り」に対する規制を強化すると発表した。空売りに関する不正が増えていることに対応し、信用取引の対象となる全銘柄について投資家への貸出料を早急に引き上げるよう証券金融会社に要請した。またクレディ・リヨネ証券など4社に、空売りに絡む法令違反があったと認め業務停止命令などの行政処分も同日付で出した。
証券会社に株や信用買いの資金を貸している日本証券金融は、信用取引の売り残高が買い残高を大きく上回り、貸株が難しくなった銘柄の最低料率を従来の1株あたり1日ゼロ銭から5銭に引き上げている。金融庁はさらに貸株が難しくなった銘柄だけでなく、すべての対象銘柄で一定料率を設定するように求めた。
空売りをした投資家が担保として証券金融会社に差し出す現金についても、手数料などの名目で一定額を徴収することを検討するよう要請した。一連の規制で、投資家が空売りのために大量の株式を借りることが一段と難しくなると同庁はみている。