柳沢伯夫金融担当相は二十六日の衆院予算委員会で、大手銀行への特別検査で過小資本の銀行が出るのではないかとの質問に対し「検査結果が完全に確定しているわけでないが、全行において起こることはないだろうとのラフな見通しを持っている」と述べ、不良債権処理を徹底させても自己資本比率が健全性基準を割り込む銀行は出ないとの見方を表明した。
また「株価の評価損も想定しないといけないが、一万円あれば十分との見通しをラフに持っている」と述べ、三月末に日経平均株価が一万円程度を維持すれば過小資本の問題は起きないとの見方を示した。
特別検査結果の公表方法については「風評を裏付けるようなデータを出すわけにいかない。銀行名を出せというのは無理だ」と個別のデータは発表しない考えを示した。
速水優日銀総裁は、インフレ目標政策について「金利はゼロに近く、資金も潤沢なのに物価が上昇していない。金融政策だけで物価上昇させることは困難で、現状ではインフレターゲット論は可能でないし、適当でない」と否定した。
塩川正十郎財務相は「インフレでなく、安定させる方向にもっていきたい。平成九、十年ごろの物価が一番安定しており、これを目標に努力しようと考えている」と述べ、物価安定の目標を設定すべきだとの認識を示した。
小泉純一郎首相は、北朝鮮系の各地の朝銀信用組合が相次いで破たんしたことをめぐり、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)主導の不正融資が行われ、一部が本国に送金されていた疑惑があるとの指摘に対し「よく調査する必要がある」と述べ、真相究明に向けた調査実施を約束した。
前原誠司、五十嵐文彦(以上民主)、中塚一宏(自由)各氏らへの答弁。