政府の総合的なデフレ対応策の最終案が26日明らかになった。不良債権処理では、問題企業について市場に評価される再建計画の策定、あるいは法的手続きによる再建のいずれかによる速やかな処理を進めるよう大手銀行に要請。このほか、整理回収機構(RCC)による不良債権買い取りを進めるため「債権買取推進本部(仮称)」を設置し、金融界との意見交換会を設けることも盛り込んだ。
焦点の公的資金による資本再注入に関しては、金融危機の恐れがあり、法令で必要と判断される場合は「資本増強を含むあらゆる措置を講じる」と明記。危機の際は資金手当てのため、日銀による特別融資(特融)を要請する考えも示した。物価動向で利率が変化する国債「物価連動債」の発行も検討する。
対策の柱である金融政策では「思い切った金融政策を要請」とし、一段の緩和を日銀に求める。政府は27日の経済財政諮問会議で対策を取りまとめる。
不良債権処理に向け、金融庁による大手行への特別検査を厳正化、その結果を公表するとともに、検査内容や不良債権の処理を反映させた財務内容を、2001年度終了後に速やかに公表するよう要請する。
デフレ克服には民間需要の創出が不可欠との考えを示した上で、3月末をめどに規制改革推進3カ年計画を改定し規制緩和を進めることや、6月をめどに諮問会議などで税制改革や経済活性化の基本方針をまとめることを表明する。
証券市場対策では、空売り規制の強化のため、証券取引等監視委員会による監視強化を打ち出したほか、銀行等保有株式取得機構の活用を銀行界へ促す。
中小企業の貸し渋り対策として、売掛債権を担保にした融資保証制度の活用や、過去に実施した特別保証による借り入れの返済条件の弾力化を実施する。