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住宅大手のミサワホーム、マンション分譲大手の藤和不動産に対し、メーンバンクのＵＦＪ銀行などが、金融支援の検討に入ったことが２５日までに分かった。支援額は、ミサワホームが７００億円程度、藤和不動産が１５００−２０００億円規模に達する見通し。金融支援を足がかりに、経営立て直しのめどをつけたいところだが地価下落やマンションブーム減速が立ちはだかり、なお多くの課題が山積している。
ミサワへの支援は、ＵＦＪがミサワ向けの貸し出し債権のうち約７００億円を、外資系証券会社などが設立するＳＰＣ（特別目的会社）などに売却。同時にミサワがその債権を安く買い戻すことで、借入金負担を減らす案や、ＵＦＪが３５０億円程度の増資に応じることなどが検討されている。
ミサワは、金融支援を足がかりに、約６０００億円の連結有利子負債（平成１３年９月末）を３年間で３０００億円削減する経営改善計画を策定する方針。その中には、約７００億円の金融支援を前提に、東京・中央区に開発中のマンションの証券化で１０００億円調達することや、グループで９６００人の従業員を、約１０００人削減するなどリストラなどが含まれる見通しだ。
一方、藤和不動産への金融支援は、２度目の債権放棄や債務の株式化が中心とみられ、ＵＦＪ、三井住友銀などが、１５００−２０００億円規模で応じる方針だ。
これにより、約５０００億円の有利子負債を半分以下に圧縮。不良資産の整理や給与カットなどリストラも拡大し、マンション販売に経営資源を投入し、本業の強化を図る。
不動産業界大手の両社はともに、バブル期の積極的な多角化や不動産投資などにより経営が悪化。ミサワは６０００億円の有利子負債のほか、約１２００億円の土地や株式などの含み損を抱える。
藤和も平成１１年３月期に主力行の旧東海銀行（現ＵＦＪ銀）や筆頭株主のフジタなどから約２９００億円の債権放棄を受けたが、１３年９月末の有利子負債は５２００億円と、依然高水準。ただ、マンション販売が好調なため収益力が急回復しており、銀行側は２度目の債権放棄を決断する見通しだ。
両社とも、主力行からの金融支援を足がかりに、経営の早期立て直しへとつなげたい考え。しかし、好調だったマンション販売に陰りが見られるほか、不動産価格は依然下げ止まりが見られないなど経営環境は悪化している。３月期末決算を前に、ゼネコン、流通と並ぶ“不良債権業種”の一角、不動産業界にもいよいよ、不良債権処理の動きが本格化してきたが、先行きにはなお課題が山積しているといえそうだ。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。