<UBSウォーバーグ チーフエコノミスト 白川浩道氏>
輸出金額は前年比−1.8%と12月から大きくマイナス幅を縮小した。輸出数量のマイナス幅縮小によるポジティブ・サプライズだった。
特に対米輸出金額が改善した。その寄与度の60%が自動車輸出の増加によるもので、残り40%は、事務用機械など一般機械が17%、電気機械が7%、その他が16%の説明力を持つ。いずれにせよ、自動車輸出の急回復によるところが大きいといえる。
米国の内需の動きは、個人消費の動向など、予断を許さないが、全体としてみれば、円安傾向定着の中で、自動車や一般機械の一部で輸出押し上げ効果が確認されつつあると言っていい。今日の通関統計は、政策当局に対して、円安志向をもたらす可能性がある。デフレ対応策の基本が、日銀の量的緩和拡大による「円安誘導」となるといった蓋然性が高まることになりそうだ。