「あれは事実上の未達だったのではないか」。市場関係者の間で、七日に実施された五年物国債の入札に対してそんな見方がささやかれている。
入札の未達とは、金融機関からの応札額が募集額に満たないこと。未達が起きると入札への信頼が失われて長期金利が急上昇する恐れもある。この日の応札倍率は1・18倍で5年債として過去最低を記録。表面的にはかろうじて未達は免れたが、実態はもっと危うかったとの指摘がある。危機を救ったのは「大手証券会社の捨て札だった」と、ある市場参加者は明かす。証券会社は本気で国債を落札する気がない場合も、「お付き合い」で市場予想より低い価格(高い金利)で札を入れる。それがなければ未達だったというのだ。
予想外の入札の不調を受けて市場は動揺。十年物国債の利回りは1.57%と、約一年一カ月ぶりの水準まで上昇した。未達が起きていたらこの程度の上昇ではすまなかったとみる市場関係者もいる。
#いつ未達が発生してもおかしくない状況になっているみたいですね。