住宅大手のミサワホームが、主力行のUFJ銀行を中心とする金融機関に、債務削減と資本増強の要請を検討していることが、24日明らかになった。金融機関が約700億円の融資に見合う担保物件を売却し、売却収入の中から350億円の増資を引き受ける方向で調整している。同社は、削減される700億円の債務と売却収入の差に相当する額の資金援助を受ける形になる。今週中にも発表する。
バブル期に積極的な企業買収で事業多角化を進めた同社は、連結ベースで6007億円(01年9月末)の有利子負債を抱えるほか、1200億円にのぼる土地や株式の含み損を抱えている。
このため、3年間で有利子負債を3000億円まで圧縮する経営改善計画を策定。700億円のほか、東京都中央区に開発中の高層マンションの証券化を図り、負債圧縮原資に充てる。
また、1200億円の含み損は02年3月期に一括処理する方針。この結果、同期の最終赤字見込み35億円が膨らみ、350億円の増資によって経営体力を補強する。併せて1万500人のグループ従業員の削減を進め、激化する住宅販売市場での競争力を高める。