欧州投資銀行(EIB)のEwald Nowotny副総裁は、世界経済における最大の不均衡は米国の膨大な経常赤字にある、との見解を明らかにした。
同副総裁は当地での会合で、「膨大な米国の経常赤字は、今日の世界経済にとって最大の不均衡となっている。この不均衡が永遠に継続するとみるのは困難だ」と述べた。
副総裁は、ここ数カ月の間に資金の流れの反転がみられ、現在では米国から資金が流出しユーロ圏に流れているものの、外国為替市場においてユーロの交換レートが上昇するには、経済成長を左右する力に変化が生じる必要がある、と指摘した。
また、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な行動によって深刻なリセッション(景気後退)と「デフレ経済の悪夢」を回避したとする一方で、FRBほどの積極性が欧州金融当局にはみられないとした。しかしながら、今後、どのような方向の行動が最大限の功績をもたらすかは、現段階では不明であるという。