本州四国連絡橋公団は、3月中旬に縁故債(特殊債)の発行に踏み切る方針を固めた。引き受けシンジケート団を構成する金融機関の一部は「引き受け拒否」の姿勢を変えていないため、募集に応じた金融機関に絞って発行する。当初予定した676億円全額の調達は難しくなるが、8割以上は確保できる見通しだ。
本四公団は今月初め、5年物の公募地方債の表面利率に1.3%上乗せすることで金融機関に引き受けを要請していた。公募地方債と同条件で10年債を発行していた昨年度までに比べると大幅な譲歩だったが、都銀や信託銀、系統金融の中には「本四公団の将来像が不透明」などとして、拒否の姿勢を貫くところが少なくなかった。
それでも、中四国に本店を持つ地銀や第二地銀の多くが引き受けに応じる方針を伝え、500億円以上確保できるメドがついたことから、本四公団では縁故債の発行に踏み切ることにした。まだ発行までに時間があることから、引き続き県などを通じて金融機関への働きかける。