総務省は郵便貯金について、預入限度額を設定していない地方自治体や学校など非営利団体に対して、個人と同様に1000万円の上限を設ける方向で調整に入った。4月のペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁で、民間金融機関から郵貯への資金シフトが集中するのを防ぐのが狙いだ。
上限の設定は今国会に提出する「日本郵政公社法案」に盛り込む。郵貯に預け入れている団体への影響を見極め、2003年4月に予定される国営の郵政公社設立と同時に実施する見通しだ。
郵貯は公社移行後も国の全額保証がつく。1000万円の限度額がないと、ペイオフ解禁後は民間との安全性に関する競争条件が公平にならず、資金移動を誘発する恐れがある。片山虎之助総務相も「郵貯限度額はペイオフと同じで適当」としており、限度額を設定しない例外措置をはずすのが妥当との判断に傾いた。