整理回収機構(RCC)の鬼追社長は、時価では不良債権の買取りが進まないとの見方について、評価を下すにはまだ早すぎる、と述べた。
定例会見で語ったもの。
政府や与党の一部で、RCCが不良債権を買い取る際に時価では買い取りが進まないため、簿価にすべきだとの意見が再燃していることについて、鬼追社長は「(時価買い取りを決めた)改正金融再生法が施行してから40日しか経っていない。評価を下すには早すぎる。もう少し時間をいただきたい」と述べた。
また、一部報道で、与党3幹事長に対して時価では買い取りが進まないと語ったと報じられたが、「そういうことを言った憶えはない。(幹事長には)現在の買い取り実績などを説明しただけだ」と述べた。
RCCが同日発表した改正金融再生法による買い取り状況は、元本ベースで、定期買い取り分が64金融機関から2262億円の買い取り要請があり、随時買い取り分は6金融機関から1827億円の買い取り要請があった。このうち、、随時買い取り分で要請があった1金融機関の債権158億円(債務者数4社)を同日付で、買い取った。改正金融再生法施工後、初の買い取りとなった。同法で初めて認められた不良債権買い取り入札参加でも、889億円分に参加し、358億円分を落札した。
鬼追社長は、「(今までもやっていた)定期買い取りも、時価になったからと言って決して金額で増加しているわけではない。しかし、金融機関は今年度処理する予定の不良債権額はすでに昨年に決めており、いきなり増やすのは難しいだろう。新年度から本格的な買い取り要請が増えてくるはずだ」と語った。