リンゼー米大統領補佐官(経済担当)は21日、市場でグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長の辞任観測が出ていることについて「議長は極めて健康で、2004年6月までの任期を全うするだろう」と語った。「過去10年で少なくとも20回はうわさが出た」とも述べ、根拠がないとの見方を強調した。ワシントンのシンクタンクで米記者団の質問に答えた。
グリーンスパン議長辞任のうわさは米紙USAトゥデーが最近、後任人事の観測も含めて報じたのがきっかけ。今夏で議長就任から15年たち、75歳と高齢なことから辞任観測が出やすくなっている。後任議長の候補としてはルービン元財務長官、サマーズ前財務長官のほかリンゼー氏、テーラー現財務次官などの名前があがっている。
ただ、議長の存在感は極めて大きく、誰がなっても最初は比較されて割を食うのは確実。経済チームのエース不在といわれるブッシュ政権は議長に頼っているのが実情だ。リンゼー補佐官も「議長はどこにも行きません」と素っ気なかった。(ワシントン=吉次弘志)