【ニューヨーク21日=山室純】
米大手会計事務所のアンダーセンは、エンロンの不正会計処理疑惑に関連した集団訴訟の原告側と、和解交渉を始めた。21日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、総額7億―8億ドルの和解金を提示したと報じた。エンロン問題の影響で顧客のアンダーセン離れが表面化しており、早期のイメージ回復をめざした動きとみられる。
アンダーセンは「交渉が成功すると確信している」との声明を出した。ただ和解条件の詳細などは明らかにしなかった。
損害賠償を求めてアンダーセンを訴えている原告は(1)エンロンの株主(2)エンロンの債権者(3)エンロンの現・元従業員――に大別できる。USAトゥデー紙によると、アンダーセンはこのうちの株主の原告団だけで2億6000万ドルの和解金を提示した。総額8億ドルの支払いで和解が成立すれば、不正会計処理に絡んで五大会計事務所が訴えられた係争案件の和解金としては、過去最大になる。