塩川正十郎財務相は22日午前の閣議後の会見で、総合デフレ対策について株価の底上げ、物価下落防止、不良債権処理促進の3点をあげ、特に不良債権処理問題を重視したうえで「政府の公的資金注入はできそうもない。銀行のビヘイビア(行動)にかかっている」と述べた。また、中小企業の倒産が増えていることを指摘して、大企業に対しては金融支援をしながら中小企業には「貸しはがし」をする行動をいさめた。
塩川財務相は、不良債権処理の枠組みを政府が用意しているが、現行の法制度では金融機関への公的資金強制注入はできないと説明、「金融機関が(こうした状況を)どのように受け止めるかが重要」と指摘した。一方で金融機関は、死に体となった大企業に対して金融支援をしながら中小企業からは融資引き上げをしていると批判。同時に「金融機関は不良債権を思い切ってバランスシートから落として欲しい」と要望することで、自力で資本を調達できない場合は自主的に公的資金の注入を要請することに期待感を示した形だ。