米格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、来週28日から投資家向けに、企業の資金調達能力についての情報を提供する方針を明らかにした。
企業がコマーシャルペーパー(CP)による資金調達が困難な場合に、他の手段で資金調達を行う能力について、情報提供するという。
ムーディーズのスポークスマン、フラン・レイサーソン氏は20日、「われわれは、2月28日から、企業の流動性リスクの評価を漸次提供するつもりだ」と述べた。
同氏によると、ムーディーズは9月までに、数百の米企業を含む、投資適格の600社の資金調達能力を評価する方針という。
投資家らの間でここ数週間、CPや期間9カ月以内の無担保社債などによる、米企業の運転資金調達能力に対して、懸念が高まっている。
USバンコープ・アセット・マネジメント(ミネアポリス)のファンドマネジャー、ジョー・ウルレイ氏は、「最終的には、企業を破たんに追い込むのは流動性の問題だ。格付けのプロセスで、これまで以上に流動性に重点を置く必要がある」と指摘した。
同氏は、「当面最も必要な情報は、CPでの資金調達機会をなくした場合の代替の資金調達手段と、その資金調達手段にどれほど確実性があるかについての情報だ」と述べた。
レイサーソン氏によると、ムーディーズは、企業の流動性に関して、文章で報告する方針で、信用格付けのようにアルファベットや数字で格付けを行うつもりはない、という。